【歯科医院あるある】患者さんとの“無自覚な接触”に要注意!
こんにちは。歯科医院でスタッフ研修を担当している中村です。
今回は、歯科医院で実際によく起こる「あるある」について取り上げたいと思います。現場ではなかなか口にしづらい内容ですが、歯科衛生士としてのプロ意識や患者さんとの信頼関係を守るために、非常に大切なテーマです。
■ よくあるトラブル:「胸が当たっている」と患者さんからの声
歯科衛生士が治療に集中していると、無意識のうちに自分の体が患者さんの頭に近づいてしまい、 胸や腕が頭に当たってしまうということがあります。
本人はまったく無自覚。ですが、患者さん側は違います。特に男性の患者さんからは、
・「わざとやってるんですか?」
・「いつも当たってる気がするんですが…」
といった声が寄せられることもあります。
もちろん、わざとではありません。ですが、結果として誤解を与えてしまうこともあり、場合によっては医院の評判やスタッフ本人への信頼を損なうリスクもあるのです。
■ 歯科衛生士が“無自覚な接触”を起こしてしまう原因とは?
このようなことが起きてしまう背景には、以下のような要因があります:
・治療に集中するあまり、自分の体の位置に意識が向かない
・姿勢やポジショニングの基本をきちんと習得しないまま現場に出ている
・「どこまで近づいても大丈夫か」という距離感への意識が薄い
この“無自覚な接触”が患者さんにとって不快な体験や誤解に繋がってしまうのは非常に残念なことです。
■ だからこそ、「ニュートラルポジション」が重要
私は、歯科衛生士に対して「ニュートラルポジション(正しい姿勢)」の重要性を何度も繰り返し伝えています。
ニュートラルポジションとは、体に負担をかけず、かつ患者さんとの距離を適切に保ちながら処置を行う基本の姿勢のことです。
この姿勢を習得することで、
・長時間の施術でも体が疲れにくくなる
・患者さんとの物理的距離を保てる
・不意な接触を避けることができる
といった多くのメリットがあります。
■ 誤解や不快感など「リスク管理」のために、医院全体でできること
女性スタッフの多い歯科医院の現場で、こうしたトラブルを防ぐためには、個人の意識だけではなく医院全体での取り組みが必要です。
✅ 具体的な対策の例:
姿勢・ポジショニングの研修を定期的に実施する
先輩衛生士が後輩の施術姿勢をチェック・フィードバックする
無自覚な接触が起きた場合の対処法を事前に共有しておく
“接触リスク”をテーマにしたミーティングを行う
また、施術中に体が患者さんに触れてしまった場合は、すぐに「失礼しました」と声をかけることで、不快感や誤解を和らげることもできます。
■ 顔や名前を出さない時代だからこそ、信頼は「所作」で伝える
最近では、個人情報保護の観点から、歯科医院のホームページにスタッフの顔や名前を出さないケースも増えてきました。
こうした時代背景の中で、患者さんに誤解を与えず信頼関係を築くには、一人ひとりの所作や立ち振る舞いこそが「信頼の証」となるのです。
■ まとめ|「信頼される衛生士」は、姿勢からつくられる
最後にお伝えしたいのは、
✨「正しい姿勢 = 患者さんへの配慮 + プロとしての所作」✨
ということです。
歯科衛生士が自信を持って仕事をするためにも、患者さんに安心して通っていただくためにも、基本の姿勢・ポジショニングをしっかりと身につけることが、最も確実な信頼構築の一歩です。
今後も、研修の中でこうした視点を大切にしながら、働くスタッフにとっても、安心・安全な医療現場を作ってまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🌸