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歯科衛生士の離職率はなぜ高い?スキルより大切な「○○」とは

公開日:2025年04月28日 カテゴリー:お役立ち情報, 活動日記 タグ:

こんにちは。グローイングスマイルの中村和恵です。

新年度が始まり、多くの歯科医院で新たなメンバーをお迎えのことと思います。その一方で、「スタッフがなかなか定着しない」というお悩みも、残念ながらよく耳にするようになりました。

実際、歯科衛生士の勤務実態調査報告書(日本歯科衛生士会 R2)Microsoft Word – 00-表紙・扉(令和元年度).DOCによれば、勤務先を変えた経験がない歯科衛生士は、わずか22.2%。これは、実に76%以上、つまり4人に3人を超える歯科衛生士が、一度は職場を変えているという現実を示しています。

これほど多くの方が転職を経験する背景には、何があるのでしょうか?

近年、多くの歯科医院でこの「スタッフの離職」が重要な課題となっています。かつてとは異なり、現在は転職情報が簡単に入手できるため、キャリアチェンジの選択肢が増えています。
このような状況の中、私は技術研修のために医院へ伺うことが多いのですが、
『社会人としての心構えや歯科衛生士としてのプロ意識 といった内容を新人歯科衛生士に伝えてほしい』
というご要望が増えています。

新人を迎え、どのように育成していくかに悩まれる医院も少なくない中で、まず専門技術の前に、社会人としての基礎となる考え方や姿勢が重要である、と考える先生方が増えているように感じます。

働く姿勢がしっかりしていないと、新しい技術を教えるのも、チームで協力し合うのも、うまくいかないことが多いからです。

新年度を迎え、私も新人歯科衛生士向けの研修を行いました。 今回は、その研修の中でも特に重点を置いている「社会人として仕事に向き合う姿勢」についてお話ししたいと思います。
社会人に求められる基礎力とは

一般的に、職場でさまざまな人たちと協力して仕事をするためには、以下のような基礎的な力が必要とされています。

1.前に踏み出す力(主体性・実行力): 自ら進んで課題に取り組み、粘り強く行動する力。
2.考え抜く力(課題発見力・計画力): 疑問を持ち、課題を見つけ、解決策を考え抜く力。
3.チームで働く力(協調性・傾聴力・発信力): 周囲の人々と協力し、目標達成に向けて貢献する力。

研修では、これらの力がなぜ大切なのかを具体的な例を交えながら説明し、歯科衛生士としての専門スキルを磨く以前に、社会人としての土台をしっかりと築くことの重要性を強調しました。

私が最も大切にしていること

そして、私がこれまでの歯科衛生士経験を通して最も大切にしてきたのは、「人から信頼され、必要とされる人材になる」ということです。

これは、私が学生時代の実習先の先生から繰り返し教わった「社会人として仕事に向き合う姿勢」そのものです。

「必要とされる人材になりなさい」

この言葉を、私は常に自分の道しるべとしてきました。 歯科衛生士として働く中で、折に触れて「今の自分はどうか?」とこの言葉に照らし合わせてきました。
信頼され、必要とされることで、仕事へのやりがいは生まれます。そして、そのやりがいを通して、仕事の中に喜びや楽しさを見出すことができるのです。

皆さんもぜひ、日々の業務の中で、「医院にとって、患者さんにとって、共に働く仲間にとって、自分は信頼され必要とされる存在だろうか?」と自分自身に問いかけてみることをお勧めします。

「楽しい」と「楽(らく)」の違い

最後に、新人研修の締めくくりとして伝えているのは、「楽しいと楽(らく)は違う」ということです。

例えば、スポーツや楽器の演奏でも、上達してその技術を存分に発揮できるようになるまでには、基礎練習の繰り返しや厳しいトレーニングといった、決して「楽(らく)」とは言えない期間がありますよね。

歯科衛生士の仕事も同じです。

知識を学び、スキルを向上させていく過程には、地道な努力や、ときには困難なことも伴います。

しかし、その「楽ではない」時期を乗り越えた先にこそ、本当の「楽しさ」が待っています。 新人の方々には、ぜひその「楽しさ」を手に入れてほしいと願い、研修を終えました。

新人たちが壁を乗り越え、仕事の真の『楽しさ』を掴むまで、伴走し続けること。

それが、私たち指導する側の使命であり、喜びでもあると私は考えています。

皆さまの医院では、どのような想いで新人育成に取り組んでいらっしゃいますか?

グローイングスマイルは、皆さまの取り組みを応援しています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

グローイングスマイル 中村和恵

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